01'毛勝山

 

 6月9日友人と立山連峰の北に位置する毛勝山(2414m)に登ってきました。

 毛勝に登山道はなく、残雪期の雪渓を利用して登る山であり、かつ日帰りとしては登山口からの高度差が1500m以上もあるハードな山です。
 その友人の嫁さんが昨年薬師岳に登ったということで、絶対負けないくらいの山を選んでくれということで毛勝を選びましたが、いろんな事のあった山行きでした。
 車で片貝山荘を越えて阿部木谷に入り、そこから1.8Kmほどの取水口駐車場まで車で入れるのですが、その300mほど手前で道が残雪により塞がっていたので、そこに車を止めて朝7時前に登山を開始しました。1Kmほど荒れた林道を進んで雪渓に取り付きます。
 この時期まだ川は徒渉しなくてすみました。
 毛勝の雪渓は約3Km少しあり、規模としてはかなり大きい方に入ります。
 雪渓取り付きからの約2Kmはそれほど傾斜はきつく感じませんでしたが、最後の約1Kmはきついです。写真はその約1Kmの谷の全景です。
 最後の約1Kmの雪渓には手を焼きました。
 傾斜がきつくて落石があり、そのうえ日も照って雪が腐り、アイゼンもあまり食いついてくれません。
 さらに途中友人が急に「ちょっと膝が痛いから一人頂上に行ってくれ」と言いだします。ガイド本に載っていた落石危険地帯を抜けるためもう少し登ってから安全と思われる中州状の小山に友人をおいて一人頂上を目指します。
 稜線に突き上げる手前約300mの雪渓の傾斜は特にきつく、もし転倒したりすれば、もう成す術無しのきつさでした。
 この部分の写真はありません。とてもザックからカメラを取り出して写真を撮る余裕はありませんでした。
 きつかった谷の傾斜がしだいにゆるやかになり、稜線コルに突き上げて谷は終わります。そこでアイゼン・ピッケルをデポして稜線に沿って頂上を目指しました。
 稜線まで出ると視界が一気に開け、後立山連峰・立山剱・黒部の谷が眺められます。
 稜線に沿って20分ほど歩いて頂上に到着です。
頂上  来た道を通り下山を開始。
 途中友人と合流しますが、友人は「実は膝が痛くてもう歩けない」とのこと。
 スクラムを組み、一歩一歩進みます。時間だけはどんどん進み、「まずいことになった。」と思いました。結局夜7時になんとか駐車場に到着。
 かなりスローペースだったので体力的な疲れはそれほどだったのですが、こんなに精神的に疲れた登山は初めての経験でした。

 翌日その友人に電話をすると「昨晩飲み会に行ってビール飲んだら足痛いのは直った。また連れて行ってくれ」とのこと。エエッ。(・_・)

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